2019年06月13日
日立 MP-3560 修理(1-1) イジェクトできない
しばらくレベル3で楽しんでいましたが、久しぶりに MB-S1/10 を
出して動かしたところ、外付のミニフロッピーディスクドライブユニット
MP-3560(5.25インチ 2D)の動作がおかしいことに気づきました。
具体的には以下の2点。
(1)ドライブ 0 は正常に読み書きできるものの、取り出しボタンの
動作がスムーズでなく、何度か出し入れしているうちに、フロッピー
ディスクを取り出せなくなった。
(2)ドライブ 1 は読める時と読めない時がある。エラーとなる時は
何度かリトライ後 device I/O error が発生。
DISK BASIC ユーティリティのディスクダンプを使用して調べたところ、
シリンダ値が大きくなると error になるので、サイド 1 が正しく
読めないよう ・・・症状が重そうです。
まずは MP-3560 の整備資料をネット上で探しましたが、見つからず。
なお L3用の MP-3550 のサービスマニュアルはありました。内部機構が
異なるため今回は利用できませんでしたが、あること自体が貴重ですね。
気を取り直して MP-3560 のケースを外し、中を見てみます。
分解後の再接続時に困らないよう、ドライブのコネクタ接続状態を
確認しマークしておきます。
フロントパネルは下側を軸にしたはめ込み式です。この後、パネルに
はめ込まれているパワーインジケータ LED を外しますが、固めなので
細いマイナスドライバ等でツメを開きながら引き抜きます。
ドライブ下側のマウントネジを外すにはキャップカバーを開けます。
ドライブ上下のネジを外すと本体が分解してしまう(後部は上下
はめ込みになっている)ので、気をつけながらドライブを手前に
引き出します。もしかすると1ドライブずつ交代で修理すべき
なのかも知れません。
取り出したドライブはベゼルを外し、2台並べてみます。
ドライブの形式は Canon MDD211 です。
ドライブモーター側:
ヘッドロードメカ側:
概要を掴んで、まずはドライブ 0 の取り出しボタン問題に取り組みます。
両ドライブのディスクロード・イジェクトレバーの動作を比較検討したところ、
レバーをロックする部分の状態に差を発見。
ドライブ 0 のレバー部
ドライブ 1 のレバー部
わかりますでしょうか。グレーのツメの根元から横に出ている
細いバネの端が、隣の小さなカム(銅色の L字板)に当たるか
どうかで、ツメの動きを規制してイジェクト可/不可を切り替えて
います(繊細!)。
両ドライブともヘッドアンロード状態ですが、ドライブ 1 は
このカムが下にあってイジェクト可能なのに対し、ドライブ 0 は
カムが上がっていて、イジェクトできない点が異常と思われます。
このカムは、ディスクアクセス時にヘッドロードプレートが
押すことで動きますので、その駆動部を見てみます。
ドライブ 0
ドライブ 1
わかりました。
ドライブ 1 はソレノイドがヘッドロードプレートを押す部分に
ゴムブッシュがついていますが、ドライブ 0 ではこれがなくなって、
プレートがソレノイド側に傾いています。
このためプレートが下がってヘッドロード=イジェクトロック
状態になっていると思われますので、このゴム部品を取り付けます。
用意したのはケースでおなじみ、タカチの貼りゴム足、高さ 1.8mm。
千石電商で購入です。
プレートのソレノイドに押される部分が垂直となるよう、ゴム足を
取り付けます。
これによりプレート全体が水平となり、ドライブ 0 のイジェクト
機能が回復しました!
ドライブ 1 のこのゴム部分も同様に劣化していると思われますので、
こちらも交換しておきます。
これでドライブ 0/1 のイジェクト機構のメンテナンスが完了しました。
続いて(2)ドライブ 1 の I/O エラー調査に取り組みます・・・
posted by 旧コン at 00:30| Comment(0)
| フロッピーディスクドライブ修理
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