2019年06月15日

日立 MP-3560 修理(1-2) 正しく読めない

 続いてドライブ 1 の device I/O error を調べます。

 ディスクダンプの結果から、サイド 0 は正常でサイド 1 の
アクセス時にエラーとなっていると思われますので、ヘッド・
制御回路周辺を調査します。

 ドライブ MDD211 基板搭載面の全景。
 基板のベゼル側の端部はフレームの切り欠きに保持され、
中央上下にネジ2箇所、もう一方の端部は金属製のスペーサーと
長ネジで浮かせて2箇所取り付けてあります。
 3560-b1.jpg

 基板のネジを外して浮かし、コネクタを外していきます。
 誤接続しやすいヘッドコネクタの接続状態を記録しておきます。
 3560-b2.jpg

 基板を外した後のドライブ。コネクタ類の配置を見ておきます。
 3560-b3.jpg

 外した基板の部品面。薄型ドライブらしく専用LSIで構成され、
標準厚タイプに比して部品点数はかなり少なくなっています。
 3560-b4b.jpg

 状態を確認していくと、電解コンデンサ液漏れあり。
これが不調の原因の可能性があります。
 3560-b5.jpg

 このドライブは製造後30年以上経過していることから、
電解コンデンサ劣化は避けられませんので、全て新品交換します。
 基板上に電解コンデンサは計 6個あり、容量は左上の C3 が
33μF、他の 5個は 47μFで、耐圧は全て 16V でした。

 交換部品調達時の注意として、標準的なものより背の低い、
高さ 7mmタイプが必要です。これは基板取り付け高さの制約で、
守らないと組み付けできなくなります。

 適合部品を探したところ、ルビコンの MH7シリーズがぴったり。
耐圧 25V のものを秋月電子で購入できました(10円/個)。
 3560-b6.jpg

 電解コンデンサの新品交換を完了した基板。各部クリーニングと
パターン面全般のハンダ付状態の修正も行い、安定性を高めました。
 3560-b4.jpg

 基板をドライブに取り付けます。コネクタを接続後、ベゼル側の
フレームに基板のエッジをはめ、ネジ4箇所を止めます。
 スペーサの組み込みにはピンセットを使いました。
 3560-b7.jpg

 メンテナンスしたドライブをユニットに組み込んで試運転します。
 3560-b8.jpg

 軽快な動作音とともにリトライなく既存ディスク読込OK。
 フォーマット・コピー・ベリファイも規則正しい動作音で
正常動作するようになりましたので、サイド 1 リードエラーの
原因は電解コンデンサの劣化であったと思われます。
 3560-b9.jpg

 この後、同様の劣化が推測されるドライブ 0 側の電解
コンデンサも新品に交換しました。
 これでこの MP-3560 もしばらく安定稼動するかと思います。

 以上、本レポートが皆様のお役に立ちましたら幸いです。


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