テープから LOAD できない原因を探ります。
カセットの基本仕様はカンサスシティスタンダード 300bps です。
MB-6881 L2II の回路図を持っていないため、同様の構成と思われる
MB-6885 Jr. の回路図を I/O別冊 べーシックマスター活用研究で見ていきます。
カセット処理系は MB-6890 L3 も同じようでしたので、MB-6890 技術マニュアル
の解説も参考にしました。
今回の参考資料2冊
MB-6890 技術マニュアル:カセット LOAD 回路説明部
回路動作としては以下のようです。
(1)カセットからの信号(周波数)は PLL IC の LM565CN に入力され、
ここで基準周波数に比較されて電圧の高低信号として出力されます。
(2)電圧信号はラインレシーバ 75108AP に送られて基準電圧に比較し、
デジタル H/L 信号となります。
(3)デジタル信号はこの後、バッファゲート 74LS125P に送られ、
そこが外部(MPU)の指示でデータバスへの接続を On/Off しています。
よって PLL 回路は MPU側のカセット命令と関係なく常時動作していて、入力信号が
あれば試験できると考えられましたので、まず LM565CN の入出力波形を確認します。
周波数入力は 2pin、電圧出力は 7pinですので、ここにオシロスコープを接続します。
LM565CN へのプローブ接続
MB-6881 の電源を入れれば PLL測定可能
使用するデジタルオシロスコープ OWON SDS1022 は帯域幅 20MHz, 2ch の
ベーシックなモデルです。なお秋月電子モデル(外部電源型)です。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-16899/
カセットを再生すると、2pin には波形入力されていますが、7pin の出力がないようです。
LM565CN の仕様を確認し、電源(+/-5V), 基準電圧(8pin)、基準周波数
(9pin 矩形波)など確認しましたが問題なさそうです。
よってこの IC LM565CN の不良が考えられますので交換することにします。
----- ジャンク MB-6881 L2II の修復(5)につづく -----
2023年01月22日
ジャンク MB-6881 L2II の修復(4)
posted by 旧コン at 23:00| Comment(2)
| ベーシックマスターレベル2
お返事が遅くなりまして失礼しました。
MB-6880/6881 の外部電源は MP-10 というユニットで DIN 5pin コネクタで出力しています。
この電源コネクタのピンアサインと入力電圧を調査し、記事にしましたのでご覧ください。
http://kyucom.sblo.jp/article/190780724.html
>Pavel Jamborさん
>
>こんにちは、日立 mb-6881 コンピュータを購入しましたが、電源がありません。 電圧+17V、+9V、-10Vは分かります。 din5コネクタのピン配列、どの電圧をどのピンに接続するかが必要です。 送ってもらえますか? インターネット上のどこにも回路図はありません。 どうもありがとうございました、チェコ共和国のパベル