2023年01月22日

ジャンク MB-6881 L2II の修復(4)

テープから LOAD できない原因を探ります。
カセットの基本仕様はカンサスシティスタンダード 300bps です。

MB-6881 L2II の回路図を持っていないため、同様の構成と思われる
MB-6885 Jr. の回路図を I/O別冊 べーシックマスター活用研究で見ていきます。
カセット処理系は MB-6890 L3 も同じようでしたので、MB-6890 技術マニュアル
の解説も参考にしました。

今回の参考資料2冊
DSC_6704s.jpg

MB-6890 技術マニュアル:カセット LOAD 回路説明部
mb6890t1.jpg

回路動作としては以下のようです。
(1)カセットからの信号(周波数)は PLL IC の LM565CN に入力され、
 ここで基準周波数に比較されて電圧の高低信号として出力されます。
(2)電圧信号はラインレシーバ 75108AP に送られて基準電圧に比較し、
 デジタル H/L 信号となります。
(3)デジタル信号はこの後、バッファゲート 74LS125P に送られ、
 そこが外部(MPU)の指示でデータバスへの接続を On/Off しています。

よって PLL 回路は MPU側のカセット命令と関係なく常時動作していて、入力信号が
あれば試験できると考えられましたので、まず LM565CN の入出力波形を確認します。
周波数入力は 2pin、電圧出力は 7pinですので、ここにオシロスコープを接続します。

LM565CN へのプローブ接続
DSC_6636s.jpg

MB-6881 の電源を入れれば PLL測定可能
DSC_6635s.jpg

使用するデジタルオシロスコープ OWON SDS1022 は帯域幅 20MHz, 2ch の
ベーシックなモデルです。なお秋月電子モデル(外部電源型)です。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-16899/

カセットを再生すると、2pin には波形入力されていますが、7pin の出力がないようです。
DSC_6634s.jpg

LM565CN の仕様を確認し、電源(+/-5V), 基準電圧(8pin)、基準周波数
(9pin 矩形波)など確認しましたが問題なさそうです。
よってこの IC LM565CN の不良が考えられますので交換することにします。

----- ジャンク MB-6881 L2II の修復(5)につづく -----

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2023年01月20日

ジャンク MB-6881 L2II の修復(3)

修復を完了した本体上部キーボードと下部メイン基板を接続し、
本体を組み立てます。
mb6881ba1.jpg

電源ユニットとキャラクタディスプレイを接続します。
DSC_6693s.jpg

意を決して電源スイッチを On。

一瞬の静寂の後・・・カチッというリレーの音と共に
電源ランプが点灯し、見事グリーンモニターに起動画面が
表示されました!
これまでの努力が報われた気持ちになる時です。

Apple II に通じる BASIC MASTER LEVEL-2 の起動画面
DSC_6680s.jpg

しかし画面が点滅したり、揺らいだりと不安定です。
なんとか動作しているような様子。

そこで基板上の電圧ポイント(+12V/+5V/-5V)を測ると規定値と差が
あるようなので、基板右上に3つある VR を回して調整します。
そうすると安定してきました。
DSC_6626s.jpg

各部動作確認していきます。
メモリ 32K 実装
DSC_6628s.jpg

画面表示・キーボード操作・音声出力・プログラム実行・
テープへの SAVE など良好に動作します。

しかしどうもテープからの LOAD がうまくできないようです・・・。
この詳細調査を行います。

----- ジャンク MB-6881 L2II の修復(4)につづく -----

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2023年01月18日

ジャンク MB-6881 L2II の修復(2)

ジャンク状態のメイン基板
DSC01221s.jpg

メモリは 16K*2=32K 実装されているようです。
目視で不良が分かった箇所の修復をしていきます。

・ヒューズ交換
 ヒューズは2つあり、そのうちの右側の1つが切れていました。
 交換部品は標準 30mm サイズのガラス管ヒューズ 1.6A ですが、
手持ちの都合で今回は 1.5A/125V を使用します。

・パスコン交換
 ヒューズが切れた原因を探るため、基板の電源と GNDラインの抵抗値を
測ってみると、やはり導通しているようです。
 この原因として部品の内部短絡が考えられますので、外観が破損している
パスコン(0.01μF/50V)を30個ほど交換し、再度測定すると改善されました。
 これで電源は入るようになったと考えます。

・MPU交換
 MPU が割れているのは初めて見ましたが、セラミックパッケージ
ならではかも知れません。
DSC01222s.jpg

 MPUを外すとソケットも割れていました。
DSC01232s.jpg

 オリジナル MPUは HD46800D です。交換部品は秋葉原の重鎮、
若松通商で MC68A00P を購入しました(427円)。
https://wakamatsu.co.jp/biz/user_data/index.php

 MC6800 を今も入手できるのがうれしい限りです。今も昔も
若松通商は本当に頼りになりますね。
DSC01240s.jpg

修復完了したメイン基板
DSC_6615s.jpg

 一通り各部の抵抗値などを測定して問題なさそうなことを確認した後、
仮接続して動作確認します。

----- ジャンク MB-6881 L2II の修復(3)につづく -----


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