取り外したキースイッチの端子間抵抗をテスタを用いて
測りましたが導通不良でしたので、分解します。
まずスイッチの下カバーである白いプラスチック部の
ツメを上から外側に開きながら、下に引き抜きます。
部品構成はこのようになっています。
続いて黒いスイッチボディ内から接点端子2つ(コの字と板バネ)を
引き抜きます。
これら端子が全体に緑色に腐食しており、接触不良が考えられました。
端子を無水エタノールで清掃した後、接点部分を半田めっきして
導通を改善します。
端子の補修が完了したらキースイッチを組み立てます。
まず黒いプラスチックボディに端子の「コの字」を、板バネとの
接触部(上部の小突起2箇所)が外側になるように入れます。
次に「板バネ」を、キーで押される部分を爪楊枝等で外側に
押さえながら、コの字との接触状態を確認して差し込みます。
続いて青色プラスチック部を、スイッチの端子を上にした時、
キートップ取付軸が上に傾く向きに入れます。
この後コイルバネと白色プラスチックカバーを取り付て
完成です。
テスタで導通が正常となったことを確認しましょう。
整備完了したスイッチは、キーボードユニット表側から差し込みます。
この時、ユニット裏側の基板の穴にスイッチの端子が正しく入るよう
注意します。
スイッチの端子を基板に半田付けし、再度テスタで導通状態を
確認しておきます。
キーボード部の修理が完了したら、取り外し時と逆の手順で各部を
本体に組みつけていきます。キーボードユニットをボディ前半部に
取り付ける際、シールドカバーの絶縁面が基板側となるよう注意します。
完成したので日立キーボードトレーニングプログラムにて動作確認。
各キーとも良好となりました。
以上、1982年発売のレベル3マークIIのキーボード修理レポートでした。
この修理はレベル3シリーズおよび同世代のベーシックマスターJr.にも
応用できるのでは、と考えています。
2019年04月21日
レベル3キーボード修理(2):キースイッチ不良
posted by 旧コン at 00:20| Comment(0)
| キーボード修理
2019年04月20日
レベル3キーボード修理(1):一部のキーが入力できない
酷使した上、長期放置してあった MB-6891 レベル3マークII。
久しぶりに動作させてみたところキーボードの調子が悪く、
一部のキーが正常に入力できない状況でした。
この原因調査と対応を検討します。
まず動作状態で不調なキーを特定し、該当のキートップを
外して行きます。
キートップは真上に引き抜きますが、キーの隙間が狭い上、
固く差し込まれているので、普通の工具では外しにくいです。
ここではケーブルを束ねるのに使うビニールカバーワイヤを
キーの下に通し、上に引っ張って外す方法を採りました。
不調のキートップを全て外したら、ボディ後半の上カバーを外します。
ボディ前半部の上端左右のネジと鉄フレームを外します。
電源スイッチケーブル2本、コントロールスイッチケーブル1本の
コネクタを外した後、ボディ前半部を前側に 90度ほど開いて保持します。
キーボードケーブルコネクタ3個を外してボディ前半部を分離し、裏返し。
ネジ4箇所を外し、シールドカバーとキーボードユニットを外します。
右上に電源ユニットケースとの接触部があります。
取り外したキーボードユニット。
キーボードユニット裏側の基板面で、不調なキースイッチの端子位置を
確認し、半田コテと吸い取り線等を使って半田付けを外します。
キーボードユニット表側からラジオペンチを用い、取り外すキースイッチ
左右の白いツメを内側に軽く押しながら持ち上げ、ユニットから引き抜きます。
問題なければキースイッチはスムーズに外れるので、抵抗がある場合は
基板の半田付けがきれいに除去できているか確認します。
こうして不調キースイッチを取り外せたら、スイッチの状態確認に
進みます。
久しぶりに動作させてみたところキーボードの調子が悪く、
一部のキーが正常に入力できない状況でした。
この原因調査と対応を検討します。
まず動作状態で不調なキーを特定し、該当のキートップを
外して行きます。
キートップは真上に引き抜きますが、キーの隙間が狭い上、
固く差し込まれているので、普通の工具では外しにくいです。
ここではケーブルを束ねるのに使うビニールカバーワイヤを
キーの下に通し、上に引っ張って外す方法を採りました。
不調のキートップを全て外したら、ボディ後半の上カバーを外します。
ボディ前半部の上端左右のネジと鉄フレームを外します。
電源スイッチケーブル2本、コントロールスイッチケーブル1本の
コネクタを外した後、ボディ前半部を前側に 90度ほど開いて保持します。
キーボードケーブルコネクタ3個を外してボディ前半部を分離し、裏返し。
ネジ4箇所を外し、シールドカバーとキーボードユニットを外します。
右上に電源ユニットケースとの接触部があります。
取り外したキーボードユニット。
キーボードユニット裏側の基板面で、不調なキースイッチの端子位置を
確認し、半田コテと吸い取り線等を使って半田付けを外します。
キーボードユニット表側からラジオペンチを用い、取り外すキースイッチ
左右の白いツメを内側に軽く押しながら持ち上げ、ユニットから引き抜きます。
問題なければキースイッチはスムーズに外れるので、抵抗がある場合は
基板の半田付けがきれいに除去できているか確認します。
こうして不調キースイッチを取り外せたら、スイッチの状態確認に
進みます。
posted by 旧コン at 21:30| Comment(0)
| キーボード修理
2018年02月17日
日立 S1 キーボード修理(2):FM-NEW7 をドナーにする
S1 キーボードのドナーとして先のサイトの情報などを参考に、富士通の同世代8ビット機の中から当事の人気機種 FM-NEW7 を用意。販売台数が多かったので中古で入手しやすく価格も魅力的です。キーボード部のきれいそうな個体を選定しました。
キーボード部を取り出し、S1 のキーボード部品と並べてみます。上が S1、下が FM-NEW7。キーの大きさや配列など似ていて期待が持てます。
FM-NEW7 キーボード部品表記。N860-2507-T001と、S1 と少し違うようです。先のサイトの情報に照らすとメカニカル接点のモデルですね。
FM-NEW7 キーボード上のキーを強く引っ張ってみると、キートップのみが外れて白軸部分は本体側に残りました。軸部分は S1 のものと似ているようですが、このままでは外せなさそうです。
FM-NEW7 キーボード裏側のたくさんの小さなネジを外して上下に分離したところ。これで白軸パーツに下側からアクセスできます。
細いマイナスドライバを使って FM-NEW7 キーボードから白軸パーツを外し、S1 のキーに取り付けたところ。ぴったりはまりました。キーの下にあるのは交換前の S1 キーの白軸パーツ。比べてみると色が黄色く、劣化していることが伺えます。
新しい白軸パーツとなった RETURNキーを S1 キーボードに取り付けてみると、がたつきもなく、とてもスムーズな操作感となりました。これでしばらくは安心して使用できそうです。
以上、MB-S1をはじめ、旧型 PCユーザの方の参考になりましたら幸いです。
キーボード部を取り出し、S1 のキーボード部品と並べてみます。上が S1、下が FM-NEW7。キーの大きさや配列など似ていて期待が持てます。
FM-NEW7 キーボード部品表記。N860-2507-T001と、S1 と少し違うようです。先のサイトの情報に照らすとメカニカル接点のモデルですね。
FM-NEW7 キーボード上のキーを強く引っ張ってみると、キートップのみが外れて白軸部分は本体側に残りました。軸部分は S1 のものと似ているようですが、このままでは外せなさそうです。
FM-NEW7 キーボード裏側のたくさんの小さなネジを外して上下に分離したところ。これで白軸パーツに下側からアクセスできます。
細いマイナスドライバを使って FM-NEW7 キーボードから白軸パーツを外し、S1 のキーに取り付けたところ。ぴったりはまりました。キーの下にあるのは交換前の S1 キーの白軸パーツ。比べてみると色が黄色く、劣化していることが伺えます。
新しい白軸パーツとなった RETURNキーを S1 キーボードに取り付けてみると、がたつきもなく、とてもスムーズな操作感となりました。これでしばらくは安心して使用できそうです。
以上、MB-S1をはじめ、旧型 PCユーザの方の参考になりましたら幸いです。
posted by 旧コン at 19:40| キーボード修理