2019年04月21日

レベル3キーボード修理(2):キースイッチ不良

 取り外したキースイッチの端子間抵抗をテスタを用いて
測りましたが導通不良でしたので、分解します。

 まずスイッチの下カバーである白いプラスチック部の
ツメを上から外側に開きながら、下に引き抜きます。
 部品構成はこのようになっています。
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 続いて黒いスイッチボディ内から接点端子2つ(コの字と板バネ)を
引き抜きます。
 これら端子が全体に緑色に腐食しており、接触不良が考えられました。
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 端子を無水エタノールで清掃した後、接点部分を半田めっきして
導通を改善します。
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 端子の補修が完了したらキースイッチを組み立てます。

 まず黒いプラスチックボディに端子の「コの字」を、板バネとの
接触部(上部の小突起2箇所)が外側になるように入れます。
 次に「板バネ」を、キーで押される部分を爪楊枝等で外側に
押さえながら、コの字との接触状態を確認して差し込みます。
 続いて青色プラスチック部を、スイッチの端子を上にした時、
キートップ取付軸が上に傾く向きに入れます。

 この後コイルバネと白色プラスチックカバーを取り付て
完成です。
 テスタで導通が正常となったことを確認しましょう。
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 整備完了したスイッチは、キーボードユニット表側から差し込みます。
 この時、ユニット裏側の基板の穴にスイッチの端子が正しく入るよう
注意します。
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 スイッチの端子を基板に半田付けし、再度テスタで導通状態を
確認しておきます。
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 キーボード部の修理が完了したら、取り外し時と逆の手順で各部を
本体に組みつけていきます。キーボードユニットをボディ前半部に
取り付ける際、シールドカバーの絶縁面が基板側となるよう注意します。
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 完成したので日立キーボードトレーニングプログラムにて動作確認。
各キーとも良好となりました。
DSC02272s.jpg

 以上、1982年発売のレベル3マークIIのキーボード修理レポートでした。
 この修理はレベル3シリーズおよび同世代のベーシックマスターJr.にも
応用できるのでは、と考えています。

posted by 旧コン at 00:20| Comment(0) | キーボード修理

2019年04月20日

レベル3キーボード修理(1):一部のキーが入力できない

 酷使した上、長期放置してあった MB-6891 レベル3マークII。
 久しぶりに動作させてみたところキーボードの調子が悪く、
一部のキーが正常に入力できない状況でした。
 この原因調査と対応を検討します。

 まず動作状態で不調なキーを特定し、該当のキートップを
外して行きます。
 キートップは真上に引き抜きますが、キーの隙間が狭い上、
固く差し込まれているので、普通の工具では外しにくいです。
 ここではケーブルを束ねるのに使うビニールカバーワイヤを
キーの下に通し、上に引っ張って外す方法を採りました。
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 不調のキートップを全て外したら、ボディ後半の上カバーを外します。
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 ボディ前半部の上端左右のネジと鉄フレームを外します。
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 電源スイッチケーブル2本、コントロールスイッチケーブル1本の
コネクタを外した後、ボディ前半部を前側に 90度ほど開いて保持します。
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 キーボードケーブルコネクタ3個を外してボディ前半部を分離し、裏返し。
 ネジ4箇所を外し、シールドカバーとキーボードユニットを外します。
右上に電源ユニットケースとの接触部があります。
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 取り外したキーボードユニット。
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 キーボードユニット裏側の基板面で、不調なキースイッチの端子位置を
確認し、半田コテと吸い取り線等を使って半田付けを外します。
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 キーボードユニット表側からラジオペンチを用い、取り外すキースイッチ
左右の白いツメを内側に軽く押しながら持ち上げ、ユニットから引き抜きます。
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 問題なければキースイッチはスムーズに外れるので、抵抗がある場合は
基板の半田付けがきれいに除去できているか確認します。
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 こうして不調キースイッチを取り外せたら、スイッチの状態確認に
進みます。

posted by 旧コン at 21:30| Comment(0) | キーボード修理

2018年02月17日

日立 S1 キーボード修理(2):FM-NEW7 をドナーにする

 S1 キーボードのドナーとして先のサイトの情報などを参考に、富士通の同世代8ビット機の中から当事の人気機種 FM-NEW7 を用意。販売台数が多かったので中古で入手しやすく価格も魅力的です。キーボード部のきれいそうな個体を選定しました。
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 キーボード部を取り出し、S1 のキーボード部品と並べてみます。上が S1、下が FM-NEW7。キーの大きさや配列など似ていて期待が持てます。
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 FM-NEW7 キーボード部品表記。N860-2507-T001と、S1 と少し違うようです。先のサイトの情報に照らすとメカニカル接点のモデルですね。
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 FM-NEW7 キーボード上のキーを強く引っ張ってみると、キートップのみが外れて白軸部分は本体側に残りました。軸部分は S1 のものと似ているようですが、このままでは外せなさそうです。
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 FM-NEW7 キーボード裏側のたくさんの小さなネジを外して上下に分離したところ。これで白軸パーツに下側からアクセスできます。
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 細いマイナスドライバを使って FM-NEW7 キーボードから白軸パーツを外し、S1 のキーに取り付けたところ。ぴったりはまりました。キーの下にあるのは交換前の S1 キーの白軸パーツ。比べてみると色が黄色く、劣化していることが伺えます。
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 新しい白軸パーツとなった RETURNキーを S1 キーボードに取り付けてみると、がたつきもなく、とてもスムーズな操作感となりました。これでしばらくは安心して使用できそうです。
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 以上、MB-S1をはじめ、旧型 PCユーザの方の参考になりましたら幸いです。
posted by 旧コン at 19:40| キーボード修理