ドライブを外す際は念のため、ドライブ番号(0/1)を
記しておきましょう。
改めて外したキヤノン MDD211 を観察してみます。
・ドライブモーター側
錆や固着等はないようでした。
長年の汚れを取り除き、軽く注油しておきます。
・ヘッドメカ側
メンテナンスはこのサイドが主となります。
ドライブ内基板のネジ・スペーサーと上部コネクタを外し、
基板を浮かせてコネクタ類の接続を確認。特に写真右下の
ヘッドコネクタは間違えやすいので、記録します(緑色配線:下、
コネクタピン面:上)。
ヘッドコネクタを取り外し、基板の部品面を確認。
基板を外して観察すると、やはり電解コンデンサが液漏れし、
周囲のパターンにも少し腐食が見られました。
電解コンデンサは全て交換するため取り外します。規格は耐圧 16v、
容量は C3:33uF, C5/C6/C7/C8/C9:47uF です。
腐食しているパターンははがれやすいので、取り外し時に傷めない
よう注意します。破損した場合はコンデンサの足を延ばして、その先と
バイパス接続しておきます。
交換用の高さ 7mm コンデンサは前回同様に秋月電子でルビコンの
MH7シリーズを購入。耐圧 25V、10円/個です。
新品のコンデンサを極性を間違えないように取り付ければ基板の
修理は完了。基板上にコンデンサ極性が記載されているので助かります。
基板修理はもう1台のドライブ分も同様に実施します。
----- フロッピードライブ修理(2-3)に続く -----
2020年03月14日
日立 MP-3560 修理(2-2)
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| フロッピーディスクドライブ修理
2020年03月12日
日立 MP-3560 修理(2-1)
前回修理したミニフロッピーディスクドライブ MP-3560 は
その後も順調に動作しています。
そこで、ジャンク状態で保管してあった、もう1台の
MP-3560(2台目と呼びます)も修理してみたいと思います。
前回で学んだ修理ポイントは下記2点でした。
(1)フロッピーディスクがイジェクトできなくなる
原因:ヘッドロードソレノイド部のゴムブッシュが劣化/欠落し、
アンロード時にヘッドが上がり切らない
(2)読み書き時に Device I/O Error となる
原因:ドライブ内制御基盤上の電解コンデンサ劣化
これらは MP-3560 に使われているドライブ Canon MDD211 に
共通する経年劣化と考えられるため、同様の対応が必要と思われます。
ドライブ取り出しのため、早速分解していきます。
・取り外し:トップカバー、電源ボタン、フロントパネル、ドライブベゼル
(1)ドライブベゼルの修復
ベゼルはドライブに上下2本ずつのネジで取り付けてありますが、
プラスチックが経年劣化して取り付け部が細かく割れていて、
フロントパネル取り外し時に一緒に外れてしまいました。
この状態だと再取り付けしにくいのと、破片が散逸しそうなので、
まずベゼルの修復を行います。
パズルさながら試行錯誤して破片を組みあわせ、不足部分は
プラ板で補って、なんとか元の取り付け部の形に整形します。
このプラスチックは瞬間接着剤では着かず、弾力性のある
ゴム系接着剤(速乾ボンドGクリア)を使いました。
・修復したベゼルの取り付け部。下側もあるため計4箇所行い、
結構時間がかかりました。
・ドライブ取り外し後、全体の構成
ドライブのネジを外すとフレームは分解しそうになるので
要注意。
目的のドライブ2つを外しましたので詳細チェックに入ります。
----- フロッピードライブ修理(2-2) に続く -----
その後も順調に動作しています。
そこで、ジャンク状態で保管してあった、もう1台の
MP-3560(2台目と呼びます)も修理してみたいと思います。
前回で学んだ修理ポイントは下記2点でした。
(1)フロッピーディスクがイジェクトできなくなる
原因:ヘッドロードソレノイド部のゴムブッシュが劣化/欠落し、
アンロード時にヘッドが上がり切らない
(2)読み書き時に Device I/O Error となる
原因:ドライブ内制御基盤上の電解コンデンサ劣化
これらは MP-3560 に使われているドライブ Canon MDD211 に
共通する経年劣化と考えられるため、同様の対応が必要と思われます。
ドライブ取り出しのため、早速分解していきます。
・取り外し:トップカバー、電源ボタン、フロントパネル、ドライブベゼル
(1)ドライブベゼルの修復
ベゼルはドライブに上下2本ずつのネジで取り付けてありますが、
プラスチックが経年劣化して取り付け部が細かく割れていて、
フロントパネル取り外し時に一緒に外れてしまいました。
この状態だと再取り付けしにくいのと、破片が散逸しそうなので、
まずベゼルの修復を行います。
パズルさながら試行錯誤して破片を組みあわせ、不足部分は
プラ板で補って、なんとか元の取り付け部の形に整形します。
このプラスチックは瞬間接着剤では着かず、弾力性のある
ゴム系接着剤(速乾ボンドGクリア)を使いました。
・修復したベゼルの取り付け部。下側もあるため計4箇所行い、
結構時間がかかりました。
・ドライブ取り外し後、全体の構成
ドライブのネジを外すとフレームは分解しそうになるので
要注意。
目的のドライブ2つを外しましたので詳細チェックに入ります。
----- フロッピードライブ修理(2-2) に続く -----
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| フロッピーディスクドライブ修理
2019年06月15日
日立 MP-3560 修理(1-2) 正しく読めない
続いてドライブ 1 の device I/O error を調べます。
ディスクダンプの結果から、サイド 0 は正常でサイド 1 の
アクセス時にエラーとなっていると思われますので、ヘッド・
制御回路周辺を調査します。
ドライブ MDD211 基板搭載面の全景。
基板のベゼル側の端部はフレームの切り欠きに保持され、
中央上下にネジ2箇所、もう一方の端部は金属製のスペーサーと
長ネジで浮かせて2箇所取り付けてあります。
基板のネジを外して浮かし、コネクタを外していきます。
誤接続しやすいヘッドコネクタの接続状態を記録しておきます。
基板を外した後のドライブ。コネクタ類の配置を見ておきます。
外した基板の部品面。薄型ドライブらしく専用LSIで構成され、
標準厚タイプに比して部品点数はかなり少なくなっています。
状態を確認していくと、電解コンデンサ液漏れあり。
これが不調の原因の可能性があります。
このドライブは製造後30年以上経過していることから、
電解コンデンサ劣化は避けられませんので、全て新品交換します。
基板上に電解コンデンサは計 6個あり、容量は左上の C3 が
33μF、他の 5個は 47μFで、耐圧は全て 16V でした。
交換部品調達時の注意として、標準的なものより背の低い、
高さ 7mmタイプが必要です。これは基板取り付け高さの制約で、
守らないと組み付けできなくなります。
適合部品を探したところ、ルビコンの MH7シリーズがぴったり。
耐圧 25V のものを秋月電子で購入できました(10円/個)。
電解コンデンサの新品交換を完了した基板。各部クリーニングと
パターン面全般のハンダ付状態の修正も行い、安定性を高めました。
基板をドライブに取り付けます。コネクタを接続後、ベゼル側の
フレームに基板のエッジをはめ、ネジ4箇所を止めます。
スペーサの組み込みにはピンセットを使いました。
メンテナンスしたドライブをユニットに組み込んで試運転します。
軽快な動作音とともにリトライなく既存ディスク読込OK。
フォーマット・コピー・ベリファイも規則正しい動作音で
正常動作するようになりましたので、サイド 1 リードエラーの
原因は電解コンデンサの劣化であったと思われます。
この後、同様の劣化が推測されるドライブ 0 側の電解
コンデンサも新品に交換しました。
これでこの MP-3560 もしばらく安定稼動するかと思います。
以上、本レポートが皆様のお役に立ちましたら幸いです。
ディスクダンプの結果から、サイド 0 は正常でサイド 1 の
アクセス時にエラーとなっていると思われますので、ヘッド・
制御回路周辺を調査します。
ドライブ MDD211 基板搭載面の全景。
基板のベゼル側の端部はフレームの切り欠きに保持され、
中央上下にネジ2箇所、もう一方の端部は金属製のスペーサーと
長ネジで浮かせて2箇所取り付けてあります。
基板のネジを外して浮かし、コネクタを外していきます。
誤接続しやすいヘッドコネクタの接続状態を記録しておきます。
基板を外した後のドライブ。コネクタ類の配置を見ておきます。
外した基板の部品面。薄型ドライブらしく専用LSIで構成され、
標準厚タイプに比して部品点数はかなり少なくなっています。
状態を確認していくと、電解コンデンサ液漏れあり。
これが不調の原因の可能性があります。
このドライブは製造後30年以上経過していることから、
電解コンデンサ劣化は避けられませんので、全て新品交換します。
基板上に電解コンデンサは計 6個あり、容量は左上の C3 が
33μF、他の 5個は 47μFで、耐圧は全て 16V でした。
交換部品調達時の注意として、標準的なものより背の低い、
高さ 7mmタイプが必要です。これは基板取り付け高さの制約で、
守らないと組み付けできなくなります。
適合部品を探したところ、ルビコンの MH7シリーズがぴったり。
耐圧 25V のものを秋月電子で購入できました(10円/個)。
電解コンデンサの新品交換を完了した基板。各部クリーニングと
パターン面全般のハンダ付状態の修正も行い、安定性を高めました。
基板をドライブに取り付けます。コネクタを接続後、ベゼル側の
フレームに基板のエッジをはめ、ネジ4箇所を止めます。
スペーサの組み込みにはピンセットを使いました。
メンテナンスしたドライブをユニットに組み込んで試運転します。
軽快な動作音とともにリトライなく既存ディスク読込OK。
フォーマット・コピー・ベリファイも規則正しい動作音で
正常動作するようになりましたので、サイド 1 リードエラーの
原因は電解コンデンサの劣化であったと思われます。
この後、同様の劣化が推測されるドライブ 0 側の電解
コンデンサも新品に交換しました。
これでこの MP-3560 もしばらく安定稼動するかと思います。
以上、本レポートが皆様のお役に立ちましたら幸いです。
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